インゴットの売却でかかる税金はいくら? 計算方法と確定申告の考え方
インゴット(金地金)を売って利益が出ると、税金の話が出てきます。ただし、利益が出れば必ず納税というわけではありません。年間50万円の特別控除があり、5年を超えて持っていた分は課税対象が半分になります。ここでは、計算の順番と、確定申告が必要になる境目を、実際の数字を入れて整理します。
インゴットを売ったときの税金は「譲渡所得」
個人の方が、資産として保有していたインゴットを売って得た利益は、原則として譲渡所得として扱われます。給与などほかの所得と合算して税額を計算する「総合課税」です。
例外もあります。営利目的で繰り返し売買している場合は雑所得、事業として行っている場合は事業所得として扱われます。年に一度、手元の資産を整理するために売る、という一般的なケースであれば譲渡所得とお考えいただいて差し支えありません。
計算は3ステップ
順番どおりに引いていくだけです。難しいのは「取得費(買ったときの金額)」を思い出すところだけ、といってもよいくらいです。
- ① 譲渡益 = 売却額 −(取得費 + 譲渡費用)
- ② 課税対象 = 譲渡益 − 特別控除50万円
- ③ 5年を超えて保有していた分は、②をさらに2分の1にする
特別控除の50万円は1年あたりの枠で、その年の譲渡所得全体に対して使います。譲渡費用には、売るためにかかった送料や手数料などが含まれます。
5年以内に売った場合(短期譲渡所得)
売却額180万円、取得費110万円、譲渡費用5万円としてみます。
| 手順 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| ① 譲渡益 | 180万円 −(110万円+5万円) | 65万円 |
| ② 課税対象 | 65万円 − 50万円 | 15万円 |
この15万円が、ほかの所得と合算されて税率をかけられる金額です。譲渡益が50万円以下なら、②の時点でゼロになります。
5年を超えて持っていた場合(長期譲渡所得)
| 手順 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| ① 譲渡益 | 180万円 −(110万円+5万円) | 65万円 |
| ② 控除後 | 65万円 − 50万円 | 15万円 |
| ③ 課税対象 | 15万円 × 1/2 | 7万5,000円 |
同じ金額で売っても、5年を超えていれば課税対象は半分です。短期と長期の両方がある年は、まず短期のほうから特別控除を差し引きます。
買ったときの書類が見つからないとき
取得費が分からない場合、売却額の5%を取得費とみなして計算する取り扱いがあります。300万円で売ったなら取得費は15万円。譲渡益が285万円まで膨らみ、税額が大きく変わります。
購入時の計算書、納品書、保証カードなどが残っていれば、必ずお手元に。相続で受け継いだインゴットは、亡くなった方が買ったときの取得費と保有期間を引き継ぎますので、当時の書類を探してみてください。
200万円を超える取引には支払調書が出る
1回の取引で金地金の売却額が200万円を超えると、買取業者は「金地金等の譲渡の対価の支払調書」を税務署へ提出することが義務づけられています。氏名・住所・マイナンバーなどを記載するため、この場合は当店でもマイナンバーが分かる書類をお願いしています。
提出されるからといって、それ自体で税額が変わるわけではありません。必要な申告をきちんと済ませていれば問題にはなりません。逆に、申告が漏れていると加算税などの負担が生じます。
確定申告が必要になるのはどんなとき
- その年の譲渡益(ほかの譲渡所得と合わせて)が50万円を超えたとき
- 給与所得のある方で、給与以外の所得の合計が20万円を超えるとき
- 営利目的の反復売買にあたり、雑所得・事業所得として申告する必要があるとき
申告の時期は原則として翌年2月16日〜3月15日です。売却額の分かる書類(当店の買取明細)と、購入時の書類を揃えてお持ちください。
税率の目安
譲渡所得はほかの所得と合算したうえで、所得税の速算表にあてはめて税額を出します(別途、復興特別所得税と住民税がかかります)。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円未満 | 5% | 0円 |
| 195万〜330万円未満 | 10% | 9万7,500円 |
| 330万〜695万円未満 | 20% | 42万7,500円 |
| 695万〜900万円未満 | 23% | 63万6,000円 |
| 900万〜1,800万円未満 | 33% | 153万6,000円 |
| 1,800万〜4,000万円未満 | 40% | 279万6,000円 |
| 4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
損が出た年の扱い
買ったときより安く売れて損失が出た場合、その年のほかの譲渡所得(たとえば別の資産を売った利益)と相殺できます。ただし、給与所得など、ほかの区分の所得とは通算できません。雑所得に区分される場合も、通算できるのは同じ雑所得の中だけです。
売る前に整理しておくとよいこと
- 購入時の書類を探す … 取得費が証明できるかどうかで、税額が大きく変わります
- 買った時期を確かめる … 5年を超えているかどうかが分かれ目です
- その年にほかの資産を売っていないか … 特別控除50万円は年単位で共有します
- 迷ったら先に税務署へ … 無料で相談できます。申告の要否だけでも確認しておくと安心です
当店では、お買取りの際に品位・重量・単価と金額を記載した明細をお渡ししています。申告の際の資料としてそのままお使いいただけますので、大切に保管してください。売り方そのものについては「金を売る時の7つの注意点」もあわせてご覧ください。
金額のご相談は無料です
インゴットは重さと純度が明確なため、金額の計算がもっとも分かりやすいお品物です。まずは今日の相場でいくらになるかをお確かめください。査定料・出張料・キャンセル料はいただきません。岡山・倉敷の直営店、またはご自宅への出張でお伺いします。
※ 本記事は一般的な情報の整理であり、税務相談ではありません。税制は改正されることがあり、実際の取り扱いはお客様のご事情によって異なります。申告の要否や具体的な計算については、国税庁の案内をご確認いただくか、税務署・税理士へご相談ください。当店は税務の代行や助言は行っておりません。





