金に「刻印なし」があるのはなぜ? 買取できるのかと本物の見分け方
「刻印が見当たらないから、たぶん金ではないと思うのですが」。そう言って持ってこられたお品物が、測ってみるとK18だった。カウンターでは珍しくない出来事です。刻印は法律上の義務ではありません。ここでは、刻印がない理由と、刻印がなくても買取できるわけ、そしてご自宅でできる確かめ方の限界までご案内します。
結論:刻印がなくても買取できます
先にお答えしておきます。刻印の有無は、お買取りできるかどうかを決めません。当店では蛍光X線分析計という機器で、品物を傷つけずに成分を測ります。刻印は「書いてある情報」にすぎず、実際に何でできているかは測れば分かるからです。
測った結果はその場でお見せして、金が何%含まれているか、それが品位でいうとどれにあたるかをご説明します。刻印がないことを理由に金額を下げることはありません。
そもそも刻印は何を表しているのか
| 刻印 | 表しているもの | 例 |
|---|---|---|
| 純度 | 金がどれくらい入っているか | K24、K18、750、585 |
| 色 | 混ぜた金属による色の違い | K18WG(白)、K18PG(桃)、K18YG(黄) |
| 表面加工 | メッキ・金張りであること | GP、GEP、GF、RGP |
| ブランド | 製造・販売した会社 | ブランド名やロゴのマーク |
| ホールマーク | 造幣局などが品位を証明した印 | 日の丸に数字 |
| 個人の刻印 | 名前・記念日など | 結婚指輪の内側の日付 |
日本では造幣局のホールマークも任意で、打っていない製品のほうが多いくらいです。刻印は「あれば手がかりになるもの」であって、あることが条件ではありません。
刻印がない5つの理由
- そもそも義務ではない … 国内でも刻印なしの製品は普通に流通しています
- 古い品物 … 刻印を打つ習慣が広まる前に作られたもの。アンティークではよくあります
- 擦れて消えた … リングの内側やチェーンの留め具は当たりやすく、長年の使用で読めなくなります
- サイズ直し・修理で削れた … リングのサイズ直しで刻印部分が切り取られることがあります
- 手作り・オーダー品、海外の品 … 職人の一点物や、刻印の慣習が違う国の製品
刻印はどこを見ればよいか
「ない」と思っていた刻印が、見る場所を変えたら見つかることもよくあります。明るいところで、できれば拡大鏡を使ってお探しください。
| お品物 | 刻印のある場所 |
|---|---|
| リング | 内側(サイズ表記の近く) |
| ネックレス・ブレスレット | 留め具、または留め具の手前の小さな板 |
| ペンダントトップ | 裏側、side、チェーンを通す輪の部分 |
| ピアス・イヤリング | ポストの根元、キャッチ、ネジの部分 |
| ブローチ | 裏側、針の付け根 |
| 時計 | 裏蓋、ラグの内側 |
ご自宅でできる確かめ方(と、その限界)
- 色 … 純度が高いほど濃いオレンジがかった黄色。明るく強い光沢はメッキを疑います
- 磁石 … 金は磁石につきません。ただし下地が銅や真鍮でもつかないため、これだけでは決められません
- 重さ … 金は非常に重い金属です。見た目に対して軽ければ怪しい、という目安になります
- 熱の伝わり方 … 金は熱をよく伝えます。握るとすぐ体温になじみます
- 擦れた部分 … 角や留め具だけ色が違えば、下地が出ています
どれも決め手にはなりません。とくに、試金石で擦る、削ってみる、といった方法はおすすめしません。本物だった場合に傷を残してしまいますし、当店の機器なら傷をつけずに測れます。
刻印があっても油断できない場合
逆のパターンもあります。刻印があるからといって、そのとおりとは限りません。
- 数字のうしろにアルファベット … 「K18GP」はメッキです。刻印の読み方はこちら
- 「18K」のように数字が先に来る表記 … 一般に「アトK」と呼ばれ、表示より純度が低い品が混じることが知られています。必ず偽物という意味ではありませんが、測って確かめる価値があります
- 刻印が読めない … 汚れや傷で判別できない場合も、成分を測れば分かります
よくあるご質問
刻印がないと、査定額は下がりますか?
下がりません。成分を測って品位を確定させたうえで、その日の相場と重さで計算します。刻印がある品物と同じ計算です。
祖母の形見で、由来が分からないのですが。
由来が分からなくても構いません。測ればお答えできます。金でなかった場合も、その旨をご説明します。
その場で測ってもらえますか?
はい。店頭でも出張でも、お客様の目の前で測定し、結果をお見せしながらご説明します。
「これは金なのか」からご相談ください
売る・売らないを決める前の「そもそも金なのか」という段階で結構です。査定料・出張料・キャンセル料はいただきません。岡山・倉敷の直営店、またはご自宅への出張でお伺いします。
※ 本記事は一般的な情報の整理です。刻印の表記は年代や製造国によって例外があり、最終的な判断は測定と現物の確認によります。





